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2023年2月28日火曜日

海外生活7年半

2015年の夏に、日本を離れイギリスの高校へ留学を始めてから、いつの間にか7年半が過ぎている。
日本のことを聞かれても、特に最近の話となると正しく答えられる自信がなくなってきた。
当然内容によるが、日本語で話すにしても、単語や表現を探しながら話すような場面が意識されるようになってきていて、苦い気分になったりする。

先日、日本人の同僚との飲み会の折、先輩の一人から海外で働く日本人という観点で面白い話を聞いた。
その方は、海外での生活経験には4つの段階があるという。
1 海外で生活したことがない人。
2 社会人になってから海外での生活を始める人。
3 子供の頃から、海外での生活の経験を持つ人。
4 生まれてからずっと海外育ちの人。
そして、階層ごとに越え難いギャップがあって、それを時折感じるとのこと。

驚いたのは、その人から見ると、俺は3のクラスに入るらしい。自分では、3寄りの2くらいの位置だと思っていたけれど、その辺りの自己認識もずれてきているのかも。
振り返ってみると、普段感じている以上に、長い期間が過ぎているみたい。

2020年9月17日木曜日

RTBの落札額はなぜsecond priceなのか

RTBのことを調べると、DSPのbitのあと、最も高いbitを提示したDSPが、次に高く提示されたbit+1円(単位は違うかもしれないが)額でimpを購入するとある。

 Auction theoryから、

second price systemでは、自分が認めた価値の価格をそのままbitすることが、オークションの成果を最大限にする戦略であるため、らしい。

証明 (背理法 bi>si, bi<siを否定して、bi=si)

suppose i admits the value si and bids bi>si. write B be the highest bit from others.

there are three possible cases.

1 B>bi, si  in this case i would have done equally with bidding si

2 bi>B>si

3 bi,si>B  in this case i would have done equally with bidding si

in case 2, she will have to pay B>si, which won't happen if she bids si. 

if bi<si, then similarly 1&3 gives the same outcomes, 

2 now becomes si>B>bi. then i cannot buy, even though she could if she bid si.


もしfirst priceならば、1,3の時も状況が変わってきてしまうから、これは成り立たない。(siのままで参加すれば、利益はかならず0になる)


上の証明では、全てのプレイヤーが合理的に自分の利益を最大化することを前提としているが、

現実には、RTBが頻繁に行われていることや、予算の問題などから、必ずしもこの仮定が正しいとは限らない。

そこで、統計的に分布などをもろもろ考えて・・・などといろいろ作戦を練る隙が出てくる(笑)

2020年4月24日金曜日

進化における協力の意味

期待値の解釈が簡単ではないことをprobability weightingケリー基準のポストを書きながら感じた。これらのポストでは、単純に期待値を最大にするような手段がベストとは限らないことが分かった。

そこで重要だったのが、時間の経過に対しての成長率の平均と、実在はしない平行世界で平均を取る、二種類の期待値の差異だ。

同様の概念を用いて、協力について説明できるという。進化とか協力とか、私は数学を使って考えようなどと考えたことが無かったので、興味を持った。実際には、大学でもmathematical biologyの講義は多いし、研究も盛んだが笑
個人的に、面白いと思ったので、日記に書いていく。



協力とは、自分の持つリソースを他者と共有する行動のことだ。人間を初め、アリやハチなども協力しながら生存している。
また、体一つの単位で見ても、細胞から臓器から、すべて協力している。
生物の目的が、子孫の数を増やすことならば、限られた資源を争いながら生きているはずなのに、それを他人にも分け与えるのはなぜなのか、一見すると、利他的な行動が、なぜ自然界にあふれているのか?
進化論的に説明するべき現象だが、なぜ生き残りに有利になるのだろうか?

これは一般に、包括適応度という概念から説明できるようだ。イギリスの生物学者ウィリアム・ドナルド・ハミルトンが発案したものらしい。これは生物が環境にどの程度適応しているか、あるいはその個体が繁栄できる能力のことだ。実際には、ある個体が生んだ次世代のこのうち、繁殖年齢まで達した子の数を個体適応度とし、この概念を、個体のみではなくその親族や同じ遺伝子を持つ可能性のある他個体までに拡張したものを包括適応度というらしい。
ただし、この適応度の厳密な定義や、数値化は意外と難しそう。環境や時期によって条件は異なるうえ、個体の複雑さ(単細胞なのか否かなど)も考慮に入れるべきかもしれない。

とまれ、ここから協力することの利益として
1)協力し合う2個体間で、受け手の利益(適応度の上昇)が提供側の損失(適応度の減少)を上回る
2)協力することによる利益が、時間の経過とともに、巡り巡って最終的に提供者の適応度を上がる。
ということが考えられる。

とはいえ、単純に資源の移動だけを考えると、資源を渡すコストはかかるし、提供者の適応度の上昇は分かりにくい…どのようにして協力から適応度の増加を得るのか?

Ole Peters は’An evolutionary advantage of cooperation' より
協力の意味は、生物がランダムな変動にさらされていると仮定したときに、

資源の共有を繰り返すことにより、最終的な変動による影響を下げることにつながり、
結果として、長期的な成長率を増加させることにつながることだ。
倍々に成長するシステムの場合、この成長率が一番高い種が、他を凌駕するので生き残ることになるとしている。


実際、気候の変動、天敵の出現、あるいは疫病の流行などなど・・・、生物はランダムな変動にさらされながら生きている。その意味で、この仮定は妥当だろう。
すると、これらの変動に影響を受けにくい特性を持った種が最終的に生き残るのは納得がいく。
そして、個体の能力以外で、この強さを手に入れる方法が、協力ならば、なぜ協力する種が現在これだけ多く存在するのか説明できる!これが協力の正体かもしれない。

きっと、生物の進化だけではなく、人間が作るシステムも何かしら変動の減少と関わりのある変遷を経ているんだろうなと妄想する。
変動にもいろいろな種類があって、コロナ禍から明らかになったように都市の一点集中がどうやらシステムのvolatilityをあげているかもしれないとなると、今後どういう形になるのだろうか。




以下、
1.ランダムな変動が小さいと時間平均の成長率が増加する理由
2.協力することが、ランダムな変動の減少に貢献する理由
について。

原則、種の数には限度があるという点で不十分ではあるが、(蓮の花は、池一杯に広がったらそれ以上は数を増やせないなど)ノイズありの個体の複製は幾何ブラウン運動(geometric Brownian motion)(連続な値を取る標準分布の過程)を用いてモデルされる。

一つ重要になるのが、非エルゴード性(non-ergodicity)(ある変化量について、その期待値と時間平均の極限が一致しないこと)だ!
1.変動(volatility)が小さいことと進化の関係



















2.協力と変動の関係 (数式をoverleafを使って書き始めていたら、wordでも同じ入力形式が使えることが分かった)





















協力しなかった場合(緑、黄緑)と協力した場合(青)の成長のグラフ











2020年4月19日日曜日

カップのコーヒーをこぼさないために

流体力学の復習をしていたところ、関連したトピックについての論文を見つけました。

ずばり、スロッシングについてです笑(日本語なんだろう。ウィキペディアではカタカナ表記でした…)
どういう現象かというと、例えば原油のコンテナの油が、地震などの際に、容器の揺れの影響で揺れたり、クルーズ船の中にあるプールの水が飛び散ったりするような現象です。
つまり動きのある容器の中にあり自由表面?(free surface)をもつ流体が、この容器の動きの影響を受けたときの運動です。

見つけた論文で取り上げられていた身近な例が、マグカップに入ったコーヒーを、持ち歩いている時の、カップの中のコーヒーの運きです。
この揺れが液体の持つ固有周波数と一致すると、揺れの振幅が増幅されるので、コーヒーがこぼれてしまいます。その対策を、ばねを用いたモデルから考えます。
カップやコーヒーの質量、カップに与える揺れの周波数と、使用するばねの性質(ばね係数)と固有周波数の関係を定式化すれば、コーヒーの表面の揺れを制御することが可能になり、朝寝ぼけていても、速足で運んでも、コーヒーをこぼさないようなデザインを設計可能になるだろうという寸法です。


実際、揺れの軽減装置がない状況だと、速足したとき程度の周期の短い揺れによって、コーヒーの振幅が発散(揺れの周波数が固有周波数と一致する)するという結論が得られます。他方、緩めのばねを用いた場合(あるいは吊りかご的なもので運ぶ場合)には、表面の揺れを小さく抑えることが出来るようです!笑


このモデリングや解法のテクニックが去年、今年勉強した流体力学の手法そのままだったので理論の応用先の1つの説明として使えそうですw(有用かどうかは置いておいて)


Oxfordの数学科の名誉教授による”how to mitigate sloshing”という論文です。

コーヒーを持つ人の引き起こす揺れを軽減するために、ばねを利用するモデルを考えます。下の図のPが、持ちての部分、そしてPQが手とカップの間をつなぐばねです。


問題を簡単にするために、コーヒーの表面の揺れηをhやLに比べてかなり小さいと仮定します。こうすることで、linearisationから線形の問題を得ます。
コーヒーの粘性は無視すると、最初の状態が非回転なので、流体の運動は常に非回転となります。ここから、velocity potential Φを用いて、u=∇Φと書けます。
そして、境界条件として、kinematic conditionやdynamic conditionを考えると・・・。
さらに、容器に加わる力は、ニュートンの法則から、求められます(ばねの張力はフックの法則から)。

有限の容器の中の波動なので、フーリエ級数を使ってコーヒーの固有振動数を求められます。また、ニュートンの式から、容器の揺れ(X)の振幅を求め、ここから、コーヒーの揺れηの振幅が求まります。これらより、
表面の揺れの振幅


コーヒーの固有振動数

といういかにもな式が導出されます笑
λはばねPQのばね係数です。
そしてこの式から、λの値によって、揺れの振幅をある程度コントロールできることが分かります。

参考 H.Ockendon, J.R.Ochendon, "How to mitigate sloshing" https://epubs.siam.org/doi/abs/10.1137/16M1077787

2020年4月16日木曜日

リンディ効果

我々人間も含め、物理的なものは時間の経過につれて老化し、余命の期待値(平均)が削られていくが、その一方で、時間の経過とともに、その寿命が延びていくものが存在する!

例えば、印刷された本は経年劣化していき、ある時読めなくなるが、本の内容自体は、別のコピーで生きながらえられることから、必ずしも有限の寿命を有しているわけではない。そして実際、古典として古くから残っている作品は存在する。
これらの本は古いから優れているのではなく、優れているから生き延び、古い作品になったと考えるのが自然だ。それならば、長く生き延びたものほど、長い余命(言い換えれば”若さ”)を持つ傾向がありそうだと考えられる。

こうしたものの寿命は、リンディ効果と呼ばれる法則で説明される。

リンディ効果と呼ばれるのは、リンディーズというニューヨークのデリカテッセンで語られるようになったショーの継続される期間に観測された経験則が土台になっているらしい。


リンディ効果というのは、厳密に言うと
未来の寿命の期待値(または中央値)が、現在の年齢に比例する
という法則のことだ。
これは、寿命をTと置くと、
c<t<∞について(*小さすぎるtについては必ずしも成り立たない)






と書ける。

つまり、だんだん若返っていくもの、あるいは反老化の現象をいう。
これは、年を経るにつれ、システムから拒絶される(絶滅)可能性が下がっていき、結果として生き残る可能性が上がっていくために起こる。
脆弱性という観点で見ると分かりやすい。脆弱性とは変動性への感度というタレブの定義から、より時間を経たもの(大きな変動性)ほど平均寿命が長くなることが説明される。
この仕組みから、どうようの現象は他の場面でも考えられる。下で述べるパレート分布の関連から明らかなように、収入の分布なども類似の性質を持つ。(収入が大きいほど、変化に対して頑強(あるいは反脆弱)なため、より大きな財産を持つ。)


このリンディ効果の定義から、リンディ効果を満たす対象はパレート分布に従うことが導ける。このパレート分布は、収入や資産の分布のモデルなどで利用されているものだ。有名なのは、80-20ルール、というもので、全体の80%の富は、全体の20%の人口が所有しているというものだ。
この分布から、定数pが1の時、余命の期待値が年齢と同じ時、分布の分散が∞に発散する。


*
サバイバル関数(寿命がt以上である確率)をΦ(t)と置くと(Φ(t)=P(T>t))
①,②から、







特に、上の式はTがt以上という条件下で、tの直後に寿命が来る確率を表しているので、1/tの項から、時間が経つにつれて、サバイバルする確率が上がることが分かる。

また、これらの式を解くことで、




を得られる。

参考*Iddo Eliazar, Lindy’s Law, 2017

2020年4月14日火曜日

ケリー基準とは

最近、たまに目にするケリー基準(Kelly criterion)について。
投資や賭け事の文脈でケリー基準という単語を見かける。
これは、資産の成長率を最大化するためのテクニックで、一連の投資において、毎回一定の割合の資産を投資するという方法なようだ。
コイントスの話と被るが、ギャンブルの文脈などでよく用いられたそう
Paul Wilmottの”frequently asked questions in quantitative finance”を参考に以下続けます。
元の論文を書いているKellyはランダムなエラーを有するチャンネルでのtransmission rate の最適化や、その他のcontextでの示唆を与えようというcommunication theoryの挑戦から始まったというのが驚きました。

Probability weightingの話とも一部似ていますが、この戦略もぱっとみは、直観に反するようなやり方です。

例えば、次のような状況を考えます。
結果に偏りのあるコインを用いて、イーブンの賭けを行う(二人で同額賭けて、勝者が総取り)。
このコインで表が出る確率pが1/2より大きいとし、手持ち仮に10000円からスタートするとする。
この時、どの金額で賭けるべきか?というのが問題です。
p>1/2という条件から、賢く賭ければ、儲けられそうなことは確かです。

しかし、例えば次の賭けの期待値が最大になるような賭け方は、
x円賭けたときの、期待値がE(X)=p(10000+x)+(1-p)(10000-x)=10000+x(2p-1)から、x=10000の時であることは明らかですが、この方法を取れば当然ながら、仮に負けたときに資金が0になり賭けを継続不可能になるので、長期的な儲けで考えるとベストとは言えそうにありません。実際、有限回の賭けを行う場合には、これで期待値を最大化できたとしても、無限に賭けを繰り返せるという条件可では、この戦略だと確率1で(つまり必ず)破産します。

そこで、手持ちの資金を一定の割合で賭け続ける戦略を考えます。
Exponential rate of growth(指数成長率) G を次のように定義します。

V0が最初の資産、VNがN回目の賭けの後の資産です。
これは、賭けを繰り返していくときの、資産の平均的な成長の速さの指標です。
上記の一定の割合をfと置くと、
n回の賭けのあとの資産は、Wnは勝った数、Lnは負けた数と置いて、
Vn=V0*((1+f)^Wn) *(1-f)^Ln)
この場合、確率の定義から、lim(Wn/N)=p,lim(Ln/N)=1-pなので、w.p.1で
です。これを、fについて最適化すると、f=2p-1で、
最適化されたGは、G=plog(2p)+(1-p)log(2-2p)=1+p・log(p)+q・log(q) , q = 1-p
が導かれます。

つまり、仮にコイントスの表の確率p=0.55だとすると、f=0.1なので、資産の1割をかけ続けることで、exponential成長率Gを最大化することができます。(結構小さいなという印象です)この戦略をとることで、長期的にはそのほかのどんな割合を選んだ時よりも多くの富を有するに至ると結論できます。これより小さい割合で賭ければ、保守的で、より高い割合にすれば変動率が上がり、予測がつきにくくなり、結果長期的なリターンは小さくなります。
より複雑なケースも、条件付確率などを用いて、似たように計算されています。

期待値の最大化が直観的に正しい戦略に思えるものの、そうとも限らないというのが、一つの重要な結果だと思います。また、上のようなギャンブルの問題だけでなく、投資などにも応用可能な概念です。wikipediaによると、Warren Buffettも使っているそう。ただし、仮にギャンブルで得たお金を再度賭けに使うことが出来なかったり、毎回同額の掛け金を出せると仮定するならば、毎回期待値を最大化する賭けがベストな賭けになります。これは、破産の可能性のある個人のギャンブラーと、全体としては破産はしないギャンブラーの集合の対比と似ています。
とすると、time-probabilityとensemble probabilityが重要な概念になりそうです。

今日のごはんは中華にしました。笑

2020年4月2日木曜日

ニュートンの微分積分学

イギリスでは、ロックダウン生活が続いています。

最近知ったのですが、イギリスが誇る偉大な物理、数学者であるニュートンは、
20代前半の時に、当時の黒死病の流行からリモートワークをしていた時に、
微積分や重力に関するアイデアを発展させていたらしい。
また、14世紀のペストの流行が引き起こした人口激減が、生き残った農民達の待遇などを向上させ、結果ルネサンスなどの動きを活発にさせたようだ。

個人的なレベルでも、社会的なレベルでも、長期的に見れば感染病の恐怖や不自由が、逆に成長や発展に貢献するということは、ストレスがたまる暮らしの中でも、勇気を与えてくれる。

2020年3月19日木曜日

Probability weighting

タレブの本、そしてこのブログ記事に触発されて。
大学入ってから、ずっと数学しかやっていなくても、日々の行動や決断の中で、数学を持ち出すことって結構難しいというか、やれていない。
それで、行動経済学の話なんかも、たしかになって鵜呑みにしていたものの、どうやらそんなに単純な話でもないらしいことが分かってきて、また、数学の面白さを再発見。


行動経済学の出発点となっているのが、Probability weighting(確率加重)という人間の認知のバイアスである。

このprobability weightingについて、ダニエルカーネマンなどの行動経済学者が認識の誤り(cognitive error)ととらえるのに対し、上に挙げた記事などでは、完全に合理的な行動であると述べいる。

probability weightingというのは、
特異な事象を現実よりも高い確率で起こるものと認識する傾向がある、翻って、一般的な事象に対しては現実よりも低い確率で起こると認識してしまう
という認知の傾向のこと。
とはいえ、ここで言う確率が現実に分かっているわけではない非常に抽象的なものだが。

数学的には、確率密度関数p:Ω→[0,1]が与えられたとき、このpから
決定加重関数w:[0,1]→[0,1]へのマッピングとしてとらえることが出来る。
つまり、確率の書き換え。
下の図は、累積分布関数で見るとしたようになる、ということを表している。
低い確率の事象(0の近く)には、より高い確率が、高い確率の事象には低めの確率、というひずみが表されている。

まず、問題となるのは、実験の被験者(decision maker)は、確率を推定しているということ。必然的に、推定には間違いが生じる。
独立な事象のカウントから確率を考える場合は、ポアソン過程のモデルを用いると、推定された確率がpとすると、加えて√p程度の標準誤差が生じている。
これを、考えると、被験者の立場からは、実際のカウントで得られた確率に予想される誤差を足して、不確定性を強めに考慮した確率を考える。
すると、実際に低い確率の事象の場合には、確率が多めに見積もられ、逆もまたしかりと。
一方、実験の観察者側は、最尤の確率を、確率密度関数として考えるので、結果、probability weightingという差が生じてしまう(S字カーブ)と言えるよう。

第二に、問題となるのがensemble-averageとtime-average growthの違い。
実験の観察者が、被験者の目標を、期間内の平均成長率の最大化ではなく、期待値の最大化ととらえる為、このS字カーブを認知的な歪みととらえてしまう。(エルゴード性を仮定してしまっている、つまり時間の影響を無視している)。

最後に、実験の被験者は、観察者の想定よりも多くの事態を想定してしまうため、認知がゆがむとのこと。高い平均と分散を仮定すると(左下)、probability weightingとほぼ同じ結果を得られる。

エルゴード性の話は、理解が不十分なので、もう少しちゃんと勉強する必要がありそう。
実用的だし、面白い概念なので。

2020年2月28日金曜日

確率の世界

久しぶりに。

確率は、すべての事象が詰まった空間Ω、その部分集合の集合F、確率測度μの三つ
(Ω,F,μ)で定義されますが、
とはいえ、基本的にΩのことはそんなに気にしないというスタンスで展開します。(少なくとも私の知る範囲で)

サイコロの目とか、株価の推移とか、いろいろな確率の話がありますが、神ではない我々は、すべての事象を完全に理解できないので、Ωの議論はしようにもできない。
そんな時に、だったら分かってる範囲で考えようってことで、事象を切り取った枠組み(現在持ってる情報)F、の範囲で考えようっていうのが確率の考え方です。
なので、μはΩではなく、Fに定義されると。
いかにも、現代的な感じもします笑

ふと、Ωを世の中の出来事すべてだと思って、街を歩くと、例えば道行く人々が、今起きていることに反応して行動する確率変数に見えてきます笑
そう考えてみると、消費者行動のデータベースを保有しているということは、独自のFとμを持つことと同義で、神の測度と自社の測度みたいな話が出てくることはうなずけます。

2018年5月17日木曜日

Japanese train departs 25 seconds early - again

BBCのニュースのアプリをたまたま開いていたら、珍しく日本のニュース。
面白い(笑)25秒早く発車は良くないなw

http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-44149791

謝罪の言葉、「お客様に大変迷惑をかけた。申し訳ございません」的なところが、
"great inconvenience we placed upon our customers was truly inexcusable".
って訳されてたのもなんかおかしかった(笑)

2018年5月13日日曜日

日曜日の朝

日曜日だが、土曜日の夜に早く寝たおかげで、今朝は早く起きた。

少し部屋の片づけなどをした後、まとまった洗濯物を抱えてLaundry roomに向かう。
4つある洗濯機は、いつもならばフル稼働しているところだが、すべて空だった。
今は、精算機の故障で、洗濯機の使用が無料だ。そこで、二機を使って、洗い始めた。
この回転が止まるまで、約50分掛かる。

昨日は雨が降ったのに反し、今朝の天気は良好、日差しが気持ちよかった。洗濯が終わるまでの間、外を散歩することにした。

昼間ならば、足音が絶えないHigh Streetも、日曜の朝7時はとても静かで、落ち着く。朝の空気を楽しみながら、有名な図書館Radcliff cameraまで歩いた。路地に入ると、浮浪者が道端で寝ているが、彼らの欠伸まで聞こえてきた。

普段は観光客に囲まれている場所だが、誰もいないとまた違う雰囲気だ。
いつもより、街全体が、威厳に満ちて、また綺麗に見えた。

少し大回りをして、カレッジに戻った。これまで、朝は部屋にいるか、思い切ってランニングするかだったが、たまには散歩するのも悪くない。


2018年4月29日日曜日

漢字はすごい

先日、オックスフォードにいる日本人の先輩と漢字についての話を少ししました。

科目の一つで、生物系の工学の勉強をしている方で、その中に出てくる単語の分かりにくさと比べ、漢字を使って表記された時の簡潔さが、漢字の有用性を物語っているという話になりました。(笑)

例えば、いくつかの血管の名前で
artery, aorta, vein, vena cava, capillary
などは、それぞれ
動脈、大動脈、静脈、大静脈、毛細血管
という意味の英単語です。
また、白血球、赤血球は、leukocyte, erythrocyte (red blood cell)
というらしいです。

英語の方は、発音すらよくわかりません(笑)
ラテン語からきているそうで、見るからに難しい語群になっています。
他方、漢字は、漢字を知っているという前提はあれど、発音は明白で、意味も類推できる。そういう意味で、漢字は優れた体系だと感じました。

これらも含めて、外来語を日本語に翻訳していった先人達の知力に驚嘆します。
と同時に、外来語のカタカナ表記が増えている昨今の日本語は、ある意味、翻訳を放棄している我々の怠慢かもしませんね。

2018年4月25日水曜日

知識は定義可能か

法律を勉強している友達が、哲学の授業の宿題のエッセイで出されたテーマが、
知識(knowledge)は、定義できるのか?
というものらしく、夕飯の時に、物理科の人と一緒に議論というような形になった。

IBの時にも、tok(theory of knowledge)で、知識について少し考えが、そもそもの知識の定義については考えていない。考えてみれば、よくそれで、tokなんて授業が出来たものだ(笑)

いくつか例をあげてもらったが、軽く考えたくらいだと、意味のある、筋の通った定義など思いつかないし、難しいなということはなんとなく分かってくる。

話の中でも、知識は真である必要があるという前提で、すべてのいわゆる知識といわれているものも、完全に真とは言えないから、知識は定義できないという話になった。
ただ、エッセイを書こうとしている本人からすると、知識獲得の過程で、問題が生じるから、知識は定義はできない、という構成で書きたいみたいだったけれど。

まあ、間違っていても知識は知識って思うけど、本当の意味での知識は、また違うものなのかな。

定義付けとか、知識とか、数学もそうだし、学問全体に通じる話ですよね。そういう意味では哲学も面白いなとは思いました。絶対エッセイとか書きたくないけれど。

話の終わりに、物理科の人が、カントの話とかをし始めて、教養の深さに感心した。