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2026年3月8日日曜日

St Petersburg Paradox - A merchant's trade

簡単に、ブログに書いて整理しておこうかと。

Mark Spitznagel によるSafe Havenという本に記載されていた問題について。問題の内容は以下の通り。

サンクトペテルブルグの商人が、アムステルダムで仕入れた商品を船で運搬しサンクトペテルブルグで売って儲けようと考えている。一度の輸送で運ぶ物資の賞味価値が10,000ルーブル、この商人がそれ以外に持っている資産が3,000ルーブルとする。

この時期のバルチック海は海賊全盛期で、この航路を航海する100隻の船のうち5隻は運搬に失敗して商品を全て失うリスクが存在している。この損害に対する保険は800ルーブルである。この商人はこの保険を購入すべきだろうか?

一見すると、保険のリターンは、95%の確率で800ルーブル、5%の確率で-9,200ルーブルであるから、期待値が300ルーブルで、保険会社ばかりが儲けているように見える。当然、保険を買えばこの交易で得られる利益が目減りしてしまう。しかし、実際には保険を買うことによって、この商人はより低リスクでかつ高リターンを得ることができるのである。その仕組みは以下の通り。

ポイントは、このビジネスの成長率を上げることだ。

保険無しの場合、航海後の商人の資産は95%の確率で13,000ルーブル、5%の確率で3,000ルーブル。一方、保険有りの場合はいずれにせよ12,200ルーブルである。だから、一般的な期待値で考えると12,500ルーブルvs12,200ルーブル。故に、単発のリターンの期待値を考えれば、保険を買わない方が得である。

ここで、成長率に着目するためには、log平均を考えれば良い。log平均は、べき乗を取れば幾何平均を考えるのと同義だから、変化の比率の平均、すなわち成長率を取っていることになる。

これを使うと、保険無しの場合のlog平均は0.95ln(13,000)+0.05ln(3,000)=9.40、幾何平均で12,080ルーブルなのに 対して、保険有りの場合は幾何平均12,200(log 平均は9.41)だから保険有りの方が大きい数字になる。

さらに、もともとの商人の資産額を増やすと保険の効果が薄まって、幾何平均も逆転する。

2020年11月7日土曜日

人流に対するコロナ感染者数のdumping効果

全くの思い付きですが、今後人口が都心に集中していくのか、あるいは分散していくのか、ウイルスの感染リスクと関連させて説明出来たら、面白いですよね。

特に、長期的なトレンドを予測するのは難しいだろうが、数式の形によっては、長期的なマクロなトレンドが、局所的な短期のトレンドに一致するようなことも考えられるといいなと思います。

昨年、dynamical systemの単位を取ったばかりなので、その道具を使って、人流のダイナミクスを理論化出来たら面白いというのを簡単に書いておきます。

アイデアは、感染による影響が、物理でいうところのdumpting(スピードを殺す働き)に相当するのではないかということです。つまり、人流過密ー>感染リスク上昇ー>感染者数増加ー>リスク回避のために人流減少。

逆に、人流減少ー>相対的な感染リスク現象ー>感染者数減少ー>人流増加

の流れ。以前のポストで書いた、橋のゆらぎとかと同じようなシステムになります。


以下のように変数を定義する。

x: 地域(region)、t:時間(time)

F(x,t) 地点x、時間tにおける人流の量(human traffic)

G(x,t) は人流の変化の速さ(rate of change in human traffic)

A(x,F) 地点xにおいて、人流量Fの時に人を寄せ付ける効果(機会の増加)(attraction)

R(x,F) 地点xにおいて人流量Fの時に人をしりぞける効果(感染リスク以外)(治安の悪化、物価上昇など)(repulsion)

W(x,F)=A-R (net attraction)

V(x,t)  地点x、時間tにおける感染者数(number of infections)


一般的なモデルとして、地政学的な環境を考慮し、XやYの値は、同じ人流Fによっても地域によって変化するものとして考えられると思いますが、以下、議論を簡単にするため、地理的なdependenceは無視します(xを固定)。(人流の引斥力は、現在の人流量のみに依存)

コロナ以前(感染症の影響~0)


コロナ後(感染者数によるダンピング効果を導入)




このモデルを、スケールをいじって考えると、やや恣意的ながら、


となるので、長期的なトレンド、および局所的なトレンドで、感染者数やリスクの高さが、人流のダイナミクスに重要なのではないかと。

h discontinuousとかのほうがしっくりくるのかな・・・

2020年10月7日水曜日

指紋の数学

イギリスの数理物理学者、Roger penroseがノーベル賞受賞しましたね。彼は現在、オックスフォード大学の教授です。

さて、受賞内容は、ブラックホールに関する研究のようですが、もっと身近な、内容に関する論文もあります。指紋について。(指紋の研究のことをdermatoglyphicというらしい)


指紋は、基本的におよそ平行な線の組でできていて、たまに

i)半円を描いて折り返すパターン、ii)3つの線が合流するパターン

が存在する。これらの組み合わせで、複雑になっているものもある。

Dを指の数、Rをi)の数、Tをii)の数とすると、ペンローズは、

R-T=D-1

であることを証明した。

つまり、円で折り返すパターンの数から3つの線が交わるパターンの数を引くと、普通の人ならば5-1=4になると。

ちなみに、この観察自体は、彼の父が論文に発表しているそう笑

上の二つのパターンについて、中心の点を包むような円を考えて、反時計周りに円をなぞっていくとき、円上での指紋の向きを連続に定義すると、この向きがi)の場合は角度が+180度(反時計回りに円の半分)、ii)の場合は―180度(時計回りに円の半分)に変化する。

これをそれぞれ指数(index)+1、-1と置く。

手の縁に注目すると、普通に指が5本ある人の場合、ギャップが4つ存在して、それぞれで指数がー1となる。

さらに、index theoremから、指紋が定義される境界(手のひらの縁)での指数と、境界内の指数の数が一致する。故に、R-T=D-1が導かれる。

The topology of ridge systems,” Annals of Human Genetics, Vol. 42 (1979), pp. 435–444

2020年10月3日土曜日

sensitivity conjecture

1年前のことらしいのですが、

chromeのフィードに関連記事がおすすめとして出てきて面白かったので、ここに共有。

30年間コンピューターサイエンティストが解けなかった問題が、とある数学者による2枚弱の論文によって証明された。というもの。

記事を読むと、どうやらそんなに難しくないらしい。ということで実際に読んでみると

学部の知識で理解できるし、流れもエレガント!これ気持ちいいだろうな、と想像笑


実際の問題というのが、sensitivity conjecture(敏感度予想)というもの。(専門用語の訳は適当)

sensitivityというのは、n次元のインプットに対するブール関数 f:{0,1}^n->{0,1}について、

x\in{0,1}^n, S\subset[n]={1,2,...,n}について、x^SをSに対応するxの要素を0と1で入れ替えたものとすると、

local sensitivity: s(f,x)=number of i such that f(x)≠f(x^i)

sensitivity: max{s(f,x): x\in{0,1}^n}

local block sensitivity: bs(f,x) = maximum number of disjoint blocks B1, B2, ...Bk\subset[n] such that f(x)≠f(x^Bi) for all i

block sensitivity: max{bs(f,x):x\in{0,1}^n}


Sensitivity conjecture: there exists an absolute constant C such that for every boolean function f, bs(f)<=s(f)^C


これを、

n次元の超立方体グラフQ^nの(2^(n-1)+1)の頂点を持ついかなるサブグラフHも、最大次数がnの平方根より大きい

ということを証明することで導いている。固有値などの基本的な議論。わずか1ページ半。しびれる。

下参考。

https://arxiv.org/pdf/1907.00847.pdf
https://arxiv.org/pdf/math/0502408.pdf

https://www.ams.org/journals/bull/2020-57-04/S0273-0979-2020-01697-6/S0273-0979-2020-01697-6.pdf


2020年9月17日木曜日

RTBの落札額はなぜsecond priceなのか

RTBのことを調べると、DSPのbitのあと、最も高いbitを提示したDSPが、次に高く提示されたbit+1円(単位は違うかもしれないが)額でimpを購入するとある。

 Auction theoryから、

second price systemでは、自分が認めた価値の価格をそのままbitすることが、オークションの成果を最大限にする戦略であるため、らしい。

証明 (背理法 bi>si, bi<siを否定して、bi=si)

suppose i admits the value si and bids bi>si. write B be the highest bit from others.

there are three possible cases.

1 B>bi, si  in this case i would have done equally with bidding si

2 bi>B>si

3 bi,si>B  in this case i would have done equally with bidding si

in case 2, she will have to pay B>si, which won't happen if she bids si. 

if bi<si, then similarly 1&3 gives the same outcomes, 

2 now becomes si>B>bi. then i cannot buy, even though she could if she bid si.


もしfirst priceならば、1,3の時も状況が変わってきてしまうから、これは成り立たない。(siのままで参加すれば、利益はかならず0になる)


上の証明では、全てのプレイヤーが合理的に自分の利益を最大化することを前提としているが、

現実には、RTBが頻繁に行われていることや、予算の問題などから、必ずしもこの仮定が正しいとは限らない。

そこで、統計的に分布などをもろもろ考えて・・・などといろいろ作戦を練る隙が出てくる(笑)

log normal な現象について

logを取った変数が、正規分布に従うものの分布のことをlog normal Distributionと呼ぶ。

オンライン広告の仕組みである、RTBの落札額の分布を調べたときに現れてきた分布だ。
(参考:http://wnzhang.net/share/rtb-papers/bid-lands.pdf)

wikipediaを見ただけでもいろいろな発見があった。
1 logを取った平均と分散を与えられたときに、エントロピーが最大となるような分布であること。
2 割合に基づく変化を蓄積する過程は、log normalを示すものが多い。(additive in log scale, then CLT (kind of make sense))
3 人間の行動なども、往々にしてこの分布に従う。(オンラインのコメントの長さ、チェスの試合時間etc)(https://arxiv.org/abs/1809.01365)

3に関連して、 "The common feature of these situations, which describe the distribution of a certain
people’s hallmark, is the presence of a desired target to be reached by repeated choices"
(9/17)



2020年4月24日金曜日

進化における協力の意味

期待値の解釈が簡単ではないことをprobability weightingケリー基準のポストを書きながら感じた。これらのポストでは、単純に期待値を最大にするような手段がベストとは限らないことが分かった。

そこで重要だったのが、時間の経過に対しての成長率の平均と、実在はしない平行世界で平均を取る、二種類の期待値の差異だ。

同様の概念を用いて、協力について説明できるという。進化とか協力とか、私は数学を使って考えようなどと考えたことが無かったので、興味を持った。実際には、大学でもmathematical biologyの講義は多いし、研究も盛んだが笑
個人的に、面白いと思ったので、日記に書いていく。



協力とは、自分の持つリソースを他者と共有する行動のことだ。人間を初め、アリやハチなども協力しながら生存している。
また、体一つの単位で見ても、細胞から臓器から、すべて協力している。
生物の目的が、子孫の数を増やすことならば、限られた資源を争いながら生きているはずなのに、それを他人にも分け与えるのはなぜなのか、一見すると、利他的な行動が、なぜ自然界にあふれているのか?
進化論的に説明するべき現象だが、なぜ生き残りに有利になるのだろうか?

これは一般に、包括適応度という概念から説明できるようだ。イギリスの生物学者ウィリアム・ドナルド・ハミルトンが発案したものらしい。これは生物が環境にどの程度適応しているか、あるいはその個体が繁栄できる能力のことだ。実際には、ある個体が生んだ次世代のこのうち、繁殖年齢まで達した子の数を個体適応度とし、この概念を、個体のみではなくその親族や同じ遺伝子を持つ可能性のある他個体までに拡張したものを包括適応度というらしい。
ただし、この適応度の厳密な定義や、数値化は意外と難しそう。環境や時期によって条件は異なるうえ、個体の複雑さ(単細胞なのか否かなど)も考慮に入れるべきかもしれない。

とまれ、ここから協力することの利益として
1)協力し合う2個体間で、受け手の利益(適応度の上昇)が提供側の損失(適応度の減少)を上回る
2)協力することによる利益が、時間の経過とともに、巡り巡って最終的に提供者の適応度を上がる。
ということが考えられる。

とはいえ、単純に資源の移動だけを考えると、資源を渡すコストはかかるし、提供者の適応度の上昇は分かりにくい…どのようにして協力から適応度の増加を得るのか?

Ole Peters は’An evolutionary advantage of cooperation' より
協力の意味は、生物がランダムな変動にさらされていると仮定したときに、

資源の共有を繰り返すことにより、最終的な変動による影響を下げることにつながり、
結果として、長期的な成長率を増加させることにつながることだ。
倍々に成長するシステムの場合、この成長率が一番高い種が、他を凌駕するので生き残ることになるとしている。


実際、気候の変動、天敵の出現、あるいは疫病の流行などなど・・・、生物はランダムな変動にさらされながら生きている。その意味で、この仮定は妥当だろう。
すると、これらの変動に影響を受けにくい特性を持った種が最終的に生き残るのは納得がいく。
そして、個体の能力以外で、この強さを手に入れる方法が、協力ならば、なぜ協力する種が現在これだけ多く存在するのか説明できる!これが協力の正体かもしれない。

きっと、生物の進化だけではなく、人間が作るシステムも何かしら変動の減少と関わりのある変遷を経ているんだろうなと妄想する。
変動にもいろいろな種類があって、コロナ禍から明らかになったように都市の一点集中がどうやらシステムのvolatilityをあげているかもしれないとなると、今後どういう形になるのだろうか。




以下、
1.ランダムな変動が小さいと時間平均の成長率が増加する理由
2.協力することが、ランダムな変動の減少に貢献する理由
について。

原則、種の数には限度があるという点で不十分ではあるが、(蓮の花は、池一杯に広がったらそれ以上は数を増やせないなど)ノイズありの個体の複製は幾何ブラウン運動(geometric Brownian motion)(連続な値を取る標準分布の過程)を用いてモデルされる。

一つ重要になるのが、非エルゴード性(non-ergodicity)(ある変化量について、その期待値と時間平均の極限が一致しないこと)だ!
1.変動(volatility)が小さいことと進化の関係



















2.協力と変動の関係 (数式をoverleafを使って書き始めていたら、wordでも同じ入力形式が使えることが分かった)





















協力しなかった場合(緑、黄緑)と協力した場合(青)の成長のグラフ











2020年4月19日日曜日

カップのコーヒーをこぼさないために

流体力学の復習をしていたところ、関連したトピックについての論文を見つけました。

ずばり、スロッシングについてです笑(日本語なんだろう。ウィキペディアではカタカナ表記でした…)
どういう現象かというと、例えば原油のコンテナの油が、地震などの際に、容器の揺れの影響で揺れたり、クルーズ船の中にあるプールの水が飛び散ったりするような現象です。
つまり動きのある容器の中にあり自由表面?(free surface)をもつ流体が、この容器の動きの影響を受けたときの運動です。

見つけた論文で取り上げられていた身近な例が、マグカップに入ったコーヒーを、持ち歩いている時の、カップの中のコーヒーの運きです。
この揺れが液体の持つ固有周波数と一致すると、揺れの振幅が増幅されるので、コーヒーがこぼれてしまいます。その対策を、ばねを用いたモデルから考えます。
カップやコーヒーの質量、カップに与える揺れの周波数と、使用するばねの性質(ばね係数)と固有周波数の関係を定式化すれば、コーヒーの表面の揺れを制御することが可能になり、朝寝ぼけていても、速足で運んでも、コーヒーをこぼさないようなデザインを設計可能になるだろうという寸法です。


実際、揺れの軽減装置がない状況だと、速足したとき程度の周期の短い揺れによって、コーヒーの振幅が発散(揺れの周波数が固有周波数と一致する)するという結論が得られます。他方、緩めのばねを用いた場合(あるいは吊りかご的なもので運ぶ場合)には、表面の揺れを小さく抑えることが出来るようです!笑


このモデリングや解法のテクニックが去年、今年勉強した流体力学の手法そのままだったので理論の応用先の1つの説明として使えそうですw(有用かどうかは置いておいて)


Oxfordの数学科の名誉教授による”how to mitigate sloshing”という論文です。

コーヒーを持つ人の引き起こす揺れを軽減するために、ばねを利用するモデルを考えます。下の図のPが、持ちての部分、そしてPQが手とカップの間をつなぐばねです。


問題を簡単にするために、コーヒーの表面の揺れηをhやLに比べてかなり小さいと仮定します。こうすることで、linearisationから線形の問題を得ます。
コーヒーの粘性は無視すると、最初の状態が非回転なので、流体の運動は常に非回転となります。ここから、velocity potential Φを用いて、u=∇Φと書けます。
そして、境界条件として、kinematic conditionやdynamic conditionを考えると・・・。
さらに、容器に加わる力は、ニュートンの法則から、求められます(ばねの張力はフックの法則から)。

有限の容器の中の波動なので、フーリエ級数を使ってコーヒーの固有振動数を求められます。また、ニュートンの式から、容器の揺れ(X)の振幅を求め、ここから、コーヒーの揺れηの振幅が求まります。これらより、
表面の揺れの振幅


コーヒーの固有振動数

といういかにもな式が導出されます笑
λはばねPQのばね係数です。
そしてこの式から、λの値によって、揺れの振幅をある程度コントロールできることが分かります。

参考 H.Ockendon, J.R.Ochendon, "How to mitigate sloshing" https://epubs.siam.org/doi/abs/10.1137/16M1077787

2020年4月16日木曜日

リンディ効果

我々人間も含め、物理的なものは時間の経過につれて老化し、余命の期待値(平均)が削られていくが、その一方で、時間の経過とともに、その寿命が延びていくものが存在する!

例えば、印刷された本は経年劣化していき、ある時読めなくなるが、本の内容自体は、別のコピーで生きながらえられることから、必ずしも有限の寿命を有しているわけではない。そして実際、古典として古くから残っている作品は存在する。
これらの本は古いから優れているのではなく、優れているから生き延び、古い作品になったと考えるのが自然だ。それならば、長く生き延びたものほど、長い余命(言い換えれば”若さ”)を持つ傾向がありそうだと考えられる。

こうしたものの寿命は、リンディ効果と呼ばれる法則で説明される。

リンディ効果と呼ばれるのは、リンディーズというニューヨークのデリカテッセンで語られるようになったショーの継続される期間に観測された経験則が土台になっているらしい。


リンディ効果というのは、厳密に言うと
未来の寿命の期待値(または中央値)が、現在の年齢に比例する
という法則のことだ。
これは、寿命をTと置くと、
c<t<∞について(*小さすぎるtについては必ずしも成り立たない)






と書ける。

つまり、だんだん若返っていくもの、あるいは反老化の現象をいう。
これは、年を経るにつれ、システムから拒絶される(絶滅)可能性が下がっていき、結果として生き残る可能性が上がっていくために起こる。
脆弱性という観点で見ると分かりやすい。脆弱性とは変動性への感度というタレブの定義から、より時間を経たもの(大きな変動性)ほど平均寿命が長くなることが説明される。
この仕組みから、どうようの現象は他の場面でも考えられる。下で述べるパレート分布の関連から明らかなように、収入の分布なども類似の性質を持つ。(収入が大きいほど、変化に対して頑強(あるいは反脆弱)なため、より大きな財産を持つ。)


このリンディ効果の定義から、リンディ効果を満たす対象はパレート分布に従うことが導ける。このパレート分布は、収入や資産の分布のモデルなどで利用されているものだ。有名なのは、80-20ルール、というもので、全体の80%の富は、全体の20%の人口が所有しているというものだ。
この分布から、定数pが1の時、余命の期待値が年齢と同じ時、分布の分散が∞に発散する。


*
サバイバル関数(寿命がt以上である確率)をΦ(t)と置くと(Φ(t)=P(T>t))
①,②から、







特に、上の式はTがt以上という条件下で、tの直後に寿命が来る確率を表しているので、1/tの項から、時間が経つにつれて、サバイバルする確率が上がることが分かる。

また、これらの式を解くことで、




を得られる。

参考*Iddo Eliazar, Lindy’s Law, 2017

2020年4月14日火曜日

ケリー基準とは

最近、たまに目にするケリー基準(Kelly criterion)について。
投資や賭け事の文脈でケリー基準という単語を見かける。
これは、資産の成長率を最大化するためのテクニックで、一連の投資において、毎回一定の割合の資産を投資するという方法なようだ。
コイントスの話と被るが、ギャンブルの文脈などでよく用いられたそう
Paul Wilmottの”frequently asked questions in quantitative finance”を参考に以下続けます。
元の論文を書いているKellyはランダムなエラーを有するチャンネルでのtransmission rate の最適化や、その他のcontextでの示唆を与えようというcommunication theoryの挑戦から始まったというのが驚きました。

Probability weightingの話とも一部似ていますが、この戦略もぱっとみは、直観に反するようなやり方です。

例えば、次のような状況を考えます。
結果に偏りのあるコインを用いて、イーブンの賭けを行う(二人で同額賭けて、勝者が総取り)。
このコインで表が出る確率pが1/2より大きいとし、手持ち仮に10000円からスタートするとする。
この時、どの金額で賭けるべきか?というのが問題です。
p>1/2という条件から、賢く賭ければ、儲けられそうなことは確かです。

しかし、例えば次の賭けの期待値が最大になるような賭け方は、
x円賭けたときの、期待値がE(X)=p(10000+x)+(1-p)(10000-x)=10000+x(2p-1)から、x=10000の時であることは明らかですが、この方法を取れば当然ながら、仮に負けたときに資金が0になり賭けを継続不可能になるので、長期的な儲けで考えるとベストとは言えそうにありません。実際、有限回の賭けを行う場合には、これで期待値を最大化できたとしても、無限に賭けを繰り返せるという条件可では、この戦略だと確率1で(つまり必ず)破産します。

そこで、手持ちの資金を一定の割合で賭け続ける戦略を考えます。
Exponential rate of growth(指数成長率) G を次のように定義します。

V0が最初の資産、VNがN回目の賭けの後の資産です。
これは、賭けを繰り返していくときの、資産の平均的な成長の速さの指標です。
上記の一定の割合をfと置くと、
n回の賭けのあとの資産は、Wnは勝った数、Lnは負けた数と置いて、
Vn=V0*((1+f)^Wn) *(1-f)^Ln)
この場合、確率の定義から、lim(Wn/N)=p,lim(Ln/N)=1-pなので、w.p.1で
です。これを、fについて最適化すると、f=2p-1で、
最適化されたGは、G=plog(2p)+(1-p)log(2-2p)=1+p・log(p)+q・log(q) , q = 1-p
が導かれます。

つまり、仮にコイントスの表の確率p=0.55だとすると、f=0.1なので、資産の1割をかけ続けることで、exponential成長率Gを最大化することができます。(結構小さいなという印象です)この戦略をとることで、長期的にはそのほかのどんな割合を選んだ時よりも多くの富を有するに至ると結論できます。これより小さい割合で賭ければ、保守的で、より高い割合にすれば変動率が上がり、予測がつきにくくなり、結果長期的なリターンは小さくなります。
より複雑なケースも、条件付確率などを用いて、似たように計算されています。

期待値の最大化が直観的に正しい戦略に思えるものの、そうとも限らないというのが、一つの重要な結果だと思います。また、上のようなギャンブルの問題だけでなく、投資などにも応用可能な概念です。wikipediaによると、Warren Buffettも使っているそう。ただし、仮にギャンブルで得たお金を再度賭けに使うことが出来なかったり、毎回同額の掛け金を出せると仮定するならば、毎回期待値を最大化する賭けがベストな賭けになります。これは、破産の可能性のある個人のギャンブラーと、全体としては破産はしないギャンブラーの集合の対比と似ています。
とすると、time-probabilityとensemble probabilityが重要な概念になりそうです。

今日のごはんは中華にしました。笑

2020年4月2日木曜日

フェアなコイントス

確率論は、ギャンブルの戦略から大いに発展しています。
故に、確率を理解する時や、問題の中に、ギャンブルを題材としたものは多いです。

ただし、そこは理論の世界。特にマルチンゲールという特殊な確率過程のクラスを考えるとき、フェアなギャンブル、つまり期待値0のギャンブルという状況をよく考えます。

これに関する問題を一つ紹介します。

ちなみに、英語で、コインの表はHead、裏はTailなので、一般にコイントスの結果をHTTHHH・・・という風に書きます。

この時、例えばHTHTHTという結果を得るために必要なトスの試行回数の平均(期待値)を求めたいというのが今回のテーマです。

次のような状況を考えます。
1)コインの各試行は独立で、表裏が出る確率はそれぞれ二分の一。
2)次のコインの結果に対して、賭けをし、当たれば賭けた金が倍になり、外せばすべて失う。(なので期待値0のフェアな賭け)
3)各試行で、新しいプレイヤーが、まず1ポンドをHに賭けます。
4)買った場合は、次に手持ちの財産すべて(2ポンド)をTに賭ける。
負けた場合は即終了し、去る。
5)以降、勝ち続けている場合は、HTHTHTの順に手持ちの財産をすべて賭け続ける。

初めて、HTHTHTという列を得られた時の、最後のTが出た時点をSと置きます。(Sはstopping time。期待値は有限と証明できる)
n回目の試行での、カジノ側の収益(プレイヤーの賭けたお金の合計ープレイヤーが勝ったお金の合計)をX(n)と置きます。

この時、Optional stopping theoremという定理から、X(S)の期待値がX(0)の期待値と等しいと言えます。つまり、HTHTHTが出たとき期待されるカジノの儲けは0ポンド、E(X(S))=0です。
なお、状況設定から、Sはプレイヤーが賭けた金額の合計と等しくなります。
また、S回目の試行が終わった時、
HTHTHTの予測を当てたプレイヤー、HTHTの予測を当てたプレイヤー、HTの予測を当てたプレイヤーが存在しており、各々2^6,2^4,2^2ポンドを手にしています。

故に、0=2^6+2^4+2^2-E(S)が成り立ち、E(S)=84と求められます。

またこの結果から、最も期待値が大きくなってしまう賭け(成立するまでに時間がかかる長さ6の列)は、HHHHHH(あるいはTTTTTT)で平均126試行(2+4+8+16+32+64=2*(2^6-1))を要するのに対して、
一番短いものはHHHHHTなどで平均64回の試行を要するという結論を導けます。

HHHHHHが一番出にくいのはなんとなく腑に落ちますが、その一方でHHHHHTが一番すぐに出てくるって面白くないですか?
上の結論を得るために、マルチンゲール、停止時刻などの概念が利用されています。これを考えるために、確率空間や、情報系などの理論が必要になるので、1学期に測度論の授業で勉強した内容ですが、なんだかんだ学期の後半に漸く導けるようになる理論でした笑

2020年3月28日土曜日

グラフ理論

今年勉強したものの中でも、グラフ理論が他と毛色が違っていて難しい。
グラフといえば、点と、点を結ぶ線からなる構造のことで、実際に描いて考えたりすることもできるので、分かりやすいような印象を持ちがちながら、むしろ真逆、、、

下手に描こうものなら、それがかえってミスリーディングになって、証明の邪魔になったりする。想像以上に複雑で、可能性に満ちているのがグラフの世界です。
例えば、connected, acyclic graph(連結で閉路を持たないグラフ)のことを、形を想像すればわかる通りtree(木)と呼びますが、{1,2,...,n}とラベルをふった頂点を持つ木はnの(n-2)乗個存在します笑(Wikipedia) これって、頂点10個あれば10^8=1億種類ってこと。・・・は?って感じw

グラフの学問と考えるとイメージしやすいものの、結局、ある集合と、それの要素が二つの補集合の集合に関する学問だと思えば、どれだけ抽象的な話なのかなんとなく想像がつくような。(G={V,E})


先日、オックスフォードのスーパーマーケットに行ったところ、パスタやトイレットペーパー、消毒系のものを除いて、だいぶモノが戻ってきた印象です。とりあえず一週間分くらい買い溜めました。
料理は、学期中は二品作れば頑張ったなって感じですが、ロックダウンかつ休み中なので、2~3品作ることが多いです。

ポークリブガーリックブラックビーンソースオーブン焼きは安定の美味しさ笑

2020年3月19日木曜日

Probability weighting

タレブの本、そしてこのブログ記事に触発されて。
大学入ってから、ずっと数学しかやっていなくても、日々の行動や決断の中で、数学を持ち出すことって結構難しいというか、やれていない。
それで、行動経済学の話なんかも、たしかになって鵜呑みにしていたものの、どうやらそんなに単純な話でもないらしいことが分かってきて、また、数学の面白さを再発見。


行動経済学の出発点となっているのが、Probability weighting(確率加重)という人間の認知のバイアスである。

このprobability weightingについて、ダニエルカーネマンなどの行動経済学者が認識の誤り(cognitive error)ととらえるのに対し、上に挙げた記事などでは、完全に合理的な行動であると述べいる。

probability weightingというのは、
特異な事象を現実よりも高い確率で起こるものと認識する傾向がある、翻って、一般的な事象に対しては現実よりも低い確率で起こると認識してしまう
という認知の傾向のこと。
とはいえ、ここで言う確率が現実に分かっているわけではない非常に抽象的なものだが。

数学的には、確率密度関数p:Ω→[0,1]が与えられたとき、このpから
決定加重関数w:[0,1]→[0,1]へのマッピングとしてとらえることが出来る。
つまり、確率の書き換え。
下の図は、累積分布関数で見るとしたようになる、ということを表している。
低い確率の事象(0の近く)には、より高い確率が、高い確率の事象には低めの確率、というひずみが表されている。

まず、問題となるのは、実験の被験者(decision maker)は、確率を推定しているということ。必然的に、推定には間違いが生じる。
独立な事象のカウントから確率を考える場合は、ポアソン過程のモデルを用いると、推定された確率がpとすると、加えて√p程度の標準誤差が生じている。
これを、考えると、被験者の立場からは、実際のカウントで得られた確率に予想される誤差を足して、不確定性を強めに考慮した確率を考える。
すると、実際に低い確率の事象の場合には、確率が多めに見積もられ、逆もまたしかりと。
一方、実験の観察者側は、最尤の確率を、確率密度関数として考えるので、結果、probability weightingという差が生じてしまう(S字カーブ)と言えるよう。

第二に、問題となるのがensemble-averageとtime-average growthの違い。
実験の観察者が、被験者の目標を、期間内の平均成長率の最大化ではなく、期待値の最大化ととらえる為、このS字カーブを認知的な歪みととらえてしまう。(エルゴード性を仮定してしまっている、つまり時間の影響を無視している)。

最後に、実験の被験者は、観察者の想定よりも多くの事態を想定してしまうため、認知がゆがむとのこと。高い平均と分散を仮定すると(左下)、probability weightingとほぼ同じ結果を得られる。

エルゴード性の話は、理解が不十分なので、もう少しちゃんと勉強する必要がありそう。
実用的だし、面白い概念なので。

2020年3月11日水曜日

なぜ橋は揺れる?

オックスフォード大学数学科のパブリックレクチャー
Why pedestrian bridges wobble? Alan Champneys
について

数学科の講義室で行われたパブリックレクチャーで、実際に参加したかったのですが
最近、ウイルスが流行りだしているので、念のため出席するのはやめました。
ライブ配信があったのでそちらで視聴しました。

シンプルなモデルを作って、より本質的に問題を解くという話で、面白かった笑
日本人の研究者の名前も上がり、驚きました。



下がモチベーションとなった有名な問題、ロンドンのmillennium bridgeのオープン時に
大量の人が渡って、横揺れがひどくなったというものです。


ここで一般的に説明として持ち出されるのが、歩行者たちは、一緒に歩いていると自然と歩調を合わせてしまう傾向があり、その結果、歩行者たちの生む振動が橋の持つ元々の固有周波数(natural frequency)と合ってしまって、揺れが増幅されたという説です。
ちなみに、ダンパーdamperを設置することで、この問題を解決したそうです。

この振動が同期していってしまう現象(synchronization)は、自然界でもよくある話で、下のような現象(Huygen clocks)、土産店に陳列された招き猫の手の揺れ、ゆっくりとした拍手などのような振動性(oscillatory)の現象でよくみられるそう。


この、weakly coupling oscillatorの数学のモデルを作ったのが日本の学者の蔵元由紀という方だそうです。興味が湧いたので、調べてみたいと思います。
このモデルから、安定な周期(収束する点)を特定することが出来たりします。

ただし、このトークの肝は、このシンクロナイゼイションの理論ではなく、最初の橋の話に戻り、橋が揺れる理由について別の理論を提唱するというものでした。

実際、上に挙げた説明についてスピーカーが問題としていたのが、揺れを引き起こすのに必要な最低人数(critical number of pedestrians)を決定できないということ、そして、似たような現象が、実はロンドンのミレニアム橋以外でも確認できることから、固有周波数は必ずしも問題ではないかもしれないということでした。

彼曰く、この現象の理由はもっとシンプルで、それは”歩行者は、転ばないように歩く”ということです。
数学的には、歩行者のモデルに、negative dumping(-kdu/dt)を導入することになります。
つまり、体が左に傾けば地面を左に蹴って運動量を散らし、逆なら逆という風に歩くということですね。
すると、橋などの比較的不安定な場所では、エネルギーが蓄積されて揺れ始めてしまうと。そして、結果的に、橋が揺れ始めると、人々の横方向の歩調がシンクロし始めて、既存の観測がなされるのではないかとのお話でした。
この仮定の下、複数の歩行のモデルを考えたところ、200人前後がクリティカルバリューとして推定できたそうです。

こうして考えると、エンジニアが考え出したダンパーという解決策はまさにドンピシャということに!これが実践家の知恵か笑

数学モデルは、シンプルなものほど、仮定が少ないほど良いということで、
'Think'、そしてwisdom of crowdsを疑え、それが彼のメッセージでした。

2020年3月9日月曜日

なぜ波は崩れるのか

海などで当たり前に目にする波(waves)について。

流体力学の方程式は、質量の保存、運動量の保存などの法則から導き出される偏微分方程式の組です。
流体の中にも、水などの非圧縮性(密度が、流れに伴っても一定)のもの、気体のように圧縮性のもの、シロップみたいに粘性が重要になってくるものなどさまざまです。

この運動に深くかかわっているのが、周期的な運動、波です。
海辺に打ち寄せる波もまた、流体力学の方程式を使って記述することが出来ます。

この波を表現する理論は、shallow water theoryという分野に当たります。
厳密には、波の波長が、水深に比べて十分に大きい波についての理論です。

この波動について、
非圧縮性(水なので)、非回転性(渦を巻いていない)、
縦(海底に対して垂直方向)の速度が横(海底と平行方向)に比べて無視できる
ということを特に仮定します。

すると、深さ=h(x,t)、波の速度の平行成分=u(x,t)について
を得ます。

ここで厄介なのが、一つ目の式の第2,3項、二つ目の式の第2項が非線形の項になっているということです。
線形の場合には、フーリエ級数、変換を用いて解くことが出来るパターンが多いですが、線形は上手くいきません。

基本的に、非線形の項が式の中に出てきたら、厄介なことが起きます。
微分方程式が成り立つための条件の一つは、当然その微分が存在することです。
なので、少なくともuやhが連続であることが必要ですが、
題名にあるように波は崩れます。
この時、速度や深さは連続ではなくなるので、当然この式が成り立ちません。

しかし、だからこの式が間違っているかというとそうでもなく、この式から、
いつ波が崩れるのか考えることが出来ます。
つまり、微分方程式が正しい解を持たなくなった時は、モデリングが壊れる瞬間であり、
何かイレギュラーなことが起きている時と考えられます。


Shallow waterの中では、水深が大きいほど、
波の速度が速くなるため右の図のように、
深く速い部分が、そのまま速く進むため、ある点を越えて
、速度uが複数の値を取るようになり、式が成り立たなくなります。
これが、波が崩れる数学的な説明です笑

ちなみに、この式が成り立たなくなるケースを扱うために非線形の偏微分方程式では
shockという概念を利用します。

右の画像は大学のlecture noteより。
https://courses.maths.ox.ac.uk/node/view_material/42094


2020年3月5日木曜日

コンパクト

水溜まりの雨模様って、ずっと見ていられる笑

去年のやつですけど、何気にちょっと笑ったやつ
トポロジーに出てくるコンパクトの概念の説明であった一節。

if a city is compact, it can be guarded by a finite number of arbitrary near sighted policemen H. Weyl

2020年3月2日月曜日

科目について

久しぶりに、以前友人からもらったダンベルを箱から取り出したら、
テンションが上がって頑張りすぎて、無駄に疲れてます笑

一つのポストを書き上げるのに、想定以上の労力がかかり、
数学の話をあげることは断念・・・

とりあえず、折角再開したので、今勉強している内容について。

今年はもう3年目で、全ての教科が選択教科になり、選べる幅も広がっています。
私は、応用数理系の科目を中心に勉強しています。

具体的には、応用寄りの微分方程式系の理論と、確率論です。
代数とかトポロジーとか関数解析とかはとりあえず諦めました笑

今学期は、
非線形システム(nonlinear system)、
波と圧縮性流体(waves and compressible flows)、
連続マルチンゲールと確率解析(continuous martingale and stochastic calculus)、
金融デリバティブの数理モデル(Mathematical Models for Financial Derivatives)
を勉強しています。

確率解析で、遂に大学の講義で初めて日本人の名前が出てきて感動しました笑
有名な伊藤積分のところでItoとして。
非線形システムでは、バタフライ効果などでも有名なカオス等について勉強しています。
波や金融は文字通りです笑
どの教科も、面白い理論や概念がたくさんあるので、
可能な限り、このブログでも書いていきたいところです。

2020年3月1日日曜日

感染の数理モデルについて

コロナウイルスが流行っているので、
去年習った感染の数理モデルを一つ(SIRモデル)。

一番最初に習うおそらく一番シンプルなモデルですが。

このモデルから、
1.感染者が増えるのかどうか?
2.感染者が最大値を取るときの値は?
3.収束するまでに何人の感染者が出てしまうのか?
などが予測できます。


変数は3つです。
S 病気に罹り得る人の数(susceptible)
I 病気に罹っている人、又はウイルスを運んでいる人(infective)
R すでに罹った等で免疫を持ち、もうかからない人 (removed)

仮定
1.短期間で広がるため、全体の人口は一定
2.潜伏期間は無視できる
3.一度かかったら耐性が出来る I→R
4.新しくかかる人の数は、SとIの接触の数に比例
5.罹った人は一定の確率で治る、あるいは死ぬ

これを式で表すと
境界条件
 加えて、人口が一定なので
となります。

d/dtというのが、時間に対する変化の割合を表します。
rは、病気に罹る人の割合
(おそらくウイルスを持つ人持たない人の接触回数と感染力の強さに依存)
aは病気が治る人の割合です。
シンプルな設定のモデルだと、それぞれ定数と置きます。
現実には、病気の種類や、国の対応状況などによって、変化しそうですね。


詳しく説明すると、
Sの人数の変化率は、I(ウイルスを持つ人数)とS(まだ持っていない人数)両方に対して、一定の割合(r)で比例します。
つまり、簡単のため、tが1日ごとに変化すると考えると、
翌日のS(ウイルスを持っていない人数)は、
ウイルスに感染する割合(r)*今日ウイルスを持つ人数(I)*今日ウイルスを持っていない人数(S) 分だけ減る(-サイン)
翌日のI(病気に罹っている人数)は、
上記のSが減る分かた一定の割合で治る人数(a*I)を引いたもの
分だけ増える。
そして、I(病気が治った人の人数)は、
病気に罹っている人のうちの一定の割合(a)
分だけ増える。
ということを表しています。


また、今回のコロナウイルスのように、潜伏期間を考慮したモデルにすると、例えば
のように、τ日前のS,I,Rに当たる人数が、翌日の感染者数等に影響するモデルも考えられます。

実際の数値解も載せたいですが、また後日。

2020年2月28日金曜日

確率の世界

久しぶりに。

確率は、すべての事象が詰まった空間Ω、その部分集合の集合F、確率測度μの三つ
(Ω,F,μ)で定義されますが、
とはいえ、基本的にΩのことはそんなに気にしないというスタンスで展開します。(少なくとも私の知る範囲で)

サイコロの目とか、株価の推移とか、いろいろな確率の話がありますが、神ではない我々は、すべての事象を完全に理解できないので、Ωの議論はしようにもできない。
そんな時に、だったら分かってる範囲で考えようってことで、事象を切り取った枠組み(現在持ってる情報)F、の範囲で考えようっていうのが確率の考え方です。
なので、μはΩではなく、Fに定義されると。
いかにも、現代的な感じもします笑

ふと、Ωを世の中の出来事すべてだと思って、街を歩くと、例えば道行く人々が、今起きていることに反応して行動する確率変数に見えてきます笑
そう考えてみると、消費者行動のデータベースを保有しているということは、独自のFとμを持つことと同義で、神の測度と自社の測度みたいな話が出てくることはうなずけます。

2018年5月22日火曜日

オックスフォード生が解けなかった問題

今日、Multivariable calculus(多変数関数の積分かな?)の復習のチュートリアルがありました。
その中で、取り上げた問題が、実際の試験の時には、誰も解けなかった問題だとのこと。(試験の時には、3問のうちから2つ選ぶ形式なので、そもそも解こうとしていない人も多いはずですが。)
見た感じはそんなに難しそうでもないんですけど(笑)

2015
Find the surface area of the boundary of the region R2 given by
R2 = {(x,y,z) : x^2+y^2<=1, y^2+z^2<=1, z^2+x^2=1}
(5 marks)

という問題。要は、円柱3本が垂直に交わってできる立体の表面積を求めなさいと、そういう話です。(因みに答えは24*(2+sqrt(2))
どういう形になるのかをイメージできれば、Symmetry(対称性)使って意外と簡単に解けるのですが、、、俺は、提出時には全く的外れでした。

ちなみに、二本交差させると、断面が正方形の立体が出来るのですが、それすらも言われるまで全く気付かなかった・・・対称性から自明なんだけどね。真上から見たら正方形だしww